ソファの選び方

家族が増えるとともに、家族の快適な団らんの場所に配置する重要アイテムとなってくるのもの、それがソファです。
ソファは、リビング全体の印象を決める、「顔」。サイズ、形、素材など様々な種類があり、お部屋とのバランスもあるので、どんなソファを選ぶべきか悩んでしまいますよね。
そこで、ソファの選び方を、ステップ方式で解説いたします。
一つずつ段階を追ってチェックしながら、あなたにぴったりなソファをイメージしてみましょう。
- どのような使い方をしたいか
- サイズ(幅→奥行→高さ)
- ソファの配置場所
- デザインとカラー
- 座り心地
1.どのような使い方をしたいかを考える
リビングで過ごす時間、皆さんはどのようなスタイルで過ごされるでしょうか。
寝転がって読書をしたり、家族みんなで団欒したり、お客さまを迎えることが多い方はおもてなしの場だったり、リビングでの過ごし方は、千差万別です。


横になったりすることが多いのであれば、幅が広く座面に奥行があるソファを選ぶことでのびのびと寝転ぶことができます。
また本を読んだり、テレビを見たりすることが多い場合には、姿勢を安定させるため深く腰掛けることができ、頭まで寄りかかれるハイバックタイプのソファを検討するのもよいでしょう。 家族でおしゃべりをすることが多ければ、みんなが座れるように、カウチソファや、ソファとオットマンの組み合わせを検討してもよいでしょう。
ソファを選ぶための第一歩、それは「リビングでの過ごし方」を想像してみることです。
2.サイズ(幅→奥行→高さ)
「リビングでの過ごし方」がイメージできたら、次は具体的なソファの選び方に入りましょう。それは「サイズ」です。
最初に行うことはソファのサイズの中でも、お部屋のサイズや座る人数と関係する「幅」について確認していきましょう。
ソファは2人掛け、3人掛け、といった座ることができる人数で分類されており、これがソファの幅と関連します。また脚を伸ばして座ることができるカウチソファと呼ばれるL字型の形状をしたソファなどもあります。
幅選びのポイントは座る人数や、どう使いたいかをじっくり考えてみること。1人でも読書のため座って使うのか、寝転がってテレビ視聴に使うのかによって理想的な大きさは変わってきます。
2人で座って使うとしても、ゆったり座りたいのか、密着して座りたいかによっても選ぶべきソファは変わってくるので、使用するシーンを具体的にイメージすることはとても大切です。
2人で座りたい場合には、余裕をもって160cmは必要です。ゆったり座りたい場合には3人掛けも検討しましょう。
※ソファの目安サイズ
1人掛け・・・80~90cm
2人掛け・・・160~180cm
3人掛け・・・190cm以上

幅を決めたら、今度はソファの『奥行き』をチェックしましょう。
奥行の選び方は、座り心地と人が通るための生活導線から考えます。 奥行きが少ないソファは省スペースで置けるため、生活導線を広く確保できます。座り心地としては浅めになるので、座って食事をしたり、読書をしたりするのにおすすめ。
一方奥行きが広いソファはゆったりと使うことができるのでソファで横になったり、足を組んで座ったりしたい人におすすめです。
次にチェックしたいのが『高さ』。
ソファの高さは、部屋の印象に大きく影響します。ソファの高さは、「背もたれ」+「座面高」の2つの要素で構成されています。

背もたれが低いソファは「ローバックソファ」と呼ばれ、反対に背もたれが高いソファは「ハイバックソファ」と呼ばれています。背もたれが低い「ローバックソファ」の利点は、圧迫感がないため部屋で馴染むこと、ソファがテレビとダイニングの間に置かれていても、視界を遮らないことなどです。
「ハイバックソファ」の利点は、背中や頭部をしっかりと支えてくれるのでゆったりと体を預けることができ、長時間でも力を抜いて座っている事ができます。また高さがあるため部屋の仕切りとして、リビングとダイニングを分けるなど高さを活かしたレイアウトを楽しむことができます。

座面の高さにも選ぶ際にポイントがあります。座面が高いソファは腰かけやすく、膝下がゆったりしていて、立ったり座ったりすることが多い人におすすめ。
また、お掃除ロボットを使っている場合は、お掃除ロボットがソファの下をくぐりぬけられる脚の高さを選ぶと、ソファの下も掃除してくれるので便利です。ロボット掃除機の定番・ルンバの高さは約9cm前後となっており、各社のサイズをそちらに合わせている機種が多いので10cm以上の高さが目安になります。
座面が低いソファは体の特定の場所に負担がかかり続けることが少なく、長時間座っても疲れにくいのがポイントです。また、床との距離が近いので、「子供と目線があわせやすい」、「子供が万が一転倒した際を考えると座面が低い方が安心」といった声があり、小さなお子様がいるご家庭に人気です。
ソファによっては、脚部を取り外してローソファとして利用できるソファもあるので確認しましょう。
3.ソファの配置場所
ソファのサイズが決まったら、部屋の広さとバランスは、配置場所を考えましょう。AVボードやダイニングテーブルなど、家具が多くおかれた部屋に大きなソファを配置してしまうと、狭く見えたり、生活導線が確保できなくなったりします。
配置場所の選び方の目安として、家具同士の間隔を60cm以上確保するのがベスト。

なお、テレビを中心としたレイアウトを考える場合、フルHDと4Kテレビでおすすめの距離が異なるとのこと。
TVメーカーの情報では、
・フルHD(1,920×1,080)の場合は「画面の縦寸法(高さ)の約3倍」
例)フルHD 43v型(画面の高さが約0.6m)で、ソファとの距離は約1.8m
・4K(3,840×2,140)の場合は「画面の縦寸法(高さ)の約1.5倍」
例)4K 43v型(画面の高さが約0.6m)で、ソファとの距離は約0.9m

なお快適に視聴できる距離には個人差があり、コンテンツや視聴環境、体調などで快適に視聴できる教理は異なるとのことで、あくまで目安としてお考え下さい。

そしてこの段階でもっとも重要なのが、候補となるソファが部屋まで運び入れることができるかです。せっかく購入したソファもお部屋に入らなければ、無駄になってしまいます。玄関からお部屋まで搬入経路を計測しておきましょう。玄関やお部屋の出入りの間口や、廊下や階段の場合は、手すりの内側からの幅を測ったりする必要がありますので、こちらのページで、計測ポイントを確認してください。
なおマンションの場合は、エレベーターや階段に商品を運び入れることができるかも重要なポイントとなります。 「イメージしていたレイアウトと違った!」「せっかく買ったのに部屋にはいらない」と後悔しないためにも、部屋、ソファ、搬入経路のサイズを把握し、どこに配置するかをあらかじめ決めておくようにしましょう。
4.デザイン・カラー
ソファの配置場所まできまったらアームや素材などディテールの選び方をみていきましょう。見た目の好みだけでなく、機能性も把握しておくと、選ぶ時の参考になります。
アーム(肘掛け)の有無は見た目と機能性に大きな影響を与えるポイントの一つ。アームがないソファはすっきりとした印象があるほか、サイドテーブルやカウチを足して使うことができ横になった時にしっかり体を伸ばせるのがメリットです。
アームがあるソファは、簡易的なテーブルとしてマグカップを置いたり、腕を置いたりできるのがメリット。ただし、その分座れる面積は狭くなります。狭い部屋でもゆったりと座りたい場合は、アームがないソファを選ぶのがおすすめです。また片側だけアームがあるタイプも最近のトレンドとなっています。
張地カラーは、まずは気に入りの色のものを探すのが一番です。そのうえで部屋との相性で迷ったときは、カーテンの色と合わせて以下の2パターンでまとめるのがおすすめです。
1)同系色でまとめる
2)色調(色彩の濃淡強弱)でまとめる
ソファと同様に大きな面積を占めるカーテンとのバランスがとれていると、統一感のある部屋に見えるはずです。
なお張地オーダーができるソファもございますので、商品詳細ページにてご確認ください。
5.座り心地
ソファの選び方を考える上で、最大のポイントともいえる「座り心地」。
ソファの座り心地は、「内部構造」「クッション」で違いがあります。
「内部構造」は大まかにわけると4つあります。
①ウェービングテープ(布バネ)
②Sバネ
③コイルスプリング
④ポケットコイル
です。
内部構造①ウェービングテープ(布バネ)

近年多くのソファには、ゴムを織り込んだベルト素材「ウェービングテープ」が採用しており、これを格子状に張り込んで座面の土台として使用しています。 ウェービングテープは軽く、金属のばねに比べて擦れや錆による軋み音の軽減もできます。また、商品自体の軽量化やシートを薄くしたデザインを可能にします。
内部構造②Sバネ

ウェービングテープに次いで、よく採用されているのは「Sバネ」です。Sバネは、S字型の金属バネになります。
平面構造なので、様々なデザインのソファに応用できる特徴があり、ウェービングベルトと同様、身体を全体的に面で支えるバネとなります。 このバネの上にウレタンなどの素材が重ねられ、ソファが作られています。
張りに強弱が出るため、座る箇所によって、浅く座ると硬め(張りが強い)、真ん中辺りはやわらかめ(張りが弱い)に感じるのが特徴です。
商品によっては座面をへたりにくくするために、膨らませるように座面中央部が高くなるように山型に張っているものもあります。
内部構造③コイルスプリング

コイルスプリングは、弾力性にとんだらせん状のスプリングをフレームの上に並べて、それぞれを鉄線で連結させています。 面でしっかりと身体を受け止めるので、底づき感のないクッション性が得られます。コイルが鉄線で連結されている為、どこに座っても同じ座り心地になる特徴があります。
コイルが連結されることによって、バネへの負担が一点に集中することがなく、全体に分散されます。その為、木枠への局所負担も減り、バネ自体も耐久性が高いと言えます。クッション性を出す為に、一定のコイルの長さが必要となる為、座面にボリュームのあるデザインになりやすいです。
内部構造④ポケットコイル

コイルスプリングがひとつひとつ袋に入っていて、荷重が加わるとひとつひとつのスプリングが独立して荷重を支えるので、比較的ウェービングテープやSバネよりも柔らかな弾力性を得ることが出来ます。 最近ではベットマットレスなどにも多く使われるコイルです。コイルが独立している為、人の体形や座り方に合わせて「点」で支えている為、弾力性が良く体にフィットした座り心地を実感できます。
他にも、種類はありますが、今回は主に使われる4種類に絞って、内部構造についてご紹介いたしました。 メーカーによって内部構造をかえているのは、そのメーカー独自にいかに、コストを抑え座り心地をよくするか、座り心地をよくするために耐久性をあげるか、などそれぞれこだわりをもってつくられています。
つづいて、「クッション材」には、しっかりとした座り心地の「ウレタン」柔らかくソファに多く使用されている「ポリエステル綿」。空気をたっぷり含み、体を包み込んでくれる「フェザー」などがありそれらを組み合わせて心地の良いソファが出来上がります。
①ウレタン
②ポリエステル綿
③フェザー
クッション材①ウレタン

ウレタンは、ソファや椅子に使用される主要なクッション材です。 ソファなどでは、座り心地を良くするために、低反発ウレタン、高反発ウレタン、粉砕したウレタンを固めたチップウレタンなど、様々な種類の硬さや密度の違うウレタンを重ねて調整しています。
クッション材②ポリエステル綿

いわゆる人工綿です。ポリエステルの原材料は石油なので、生地の糸の中に水が入りにくいという特徴があります。ポリエステル綿にも種類があり、表面がなめらかになるようにシリコンで加工された綿をシリコンフィルと呼ばれたりしています。
シリコンフィルはふんわりとした柔らかさと弾力のある素材で、フェザーの代用品として使われています。 ただし、人工素材のため長期使用すると段々と反発力が下がってきて、ヘタった状態になるクッションもあります。
クッション材③フェザー

いわゆる鳥の羽毛です。フェザーとダウンの違いは、使用されている羽の違いです。 フェザー(羽根)は湾曲した羽軸を持っているので弾力性があります。ある程度型崩れしないもので、枕などにも使われます。一方、ダウン(羽毛)は吸湿発散性に大変優れており軽くてたっぷり空気を含んでおり、お布団やダウンジャケットなどに使われます。
なお、フェザーは、ポリエステル綿と比べると非常に高価なクッション材です。フェザーを使用したクッションはソフトな触り心地です。しかも回復率が高く、ポリエステルのようにヘタりません。
クッション材は日々の使用で徐々にへたりの出てくる消耗部品ですが、日々のお手入れで、より長く快適な座り心地を保つことができます。
いかがでしたでしょうか?まず重要なのは、「どのような使い方をしたいかを考える」。これがソファ選びの第一歩です。
それぞれのステップを理解した上で、店舗やイベントなどで実際にデザインや座り心地を体験して、理想の暮らしにあったソファを選んでみましょう。