ダイニングテーブルの選び方


家族団らんの場所になるダイニングテーブル。みんなで集まって食事をするだけでなく、仕事をしたり、宿題をしたり・・・様々な用途で使われるからこそ、自分の家族に合ったものを選びたいですね。
ダイニングにおけるテーブルは空間的に面積が大きいため、お部屋の印象を左右する家具でもあります。デザインや家族の人数、ライフスタイルに合わせた選び方のポイントを参考に、長く愛用できるダイニングテーブルを見つけましょう。
1.デザイン

最初に、イメージしているダイニングに合う「テーブルの形」を考えてみましょう。ダイニングテーブルとして最も一般的な形状で、種類も豊富なのが「長方形」。レイアウトがしやすく、一人当たりの食事スペースを広くとることができます。スタンダードなテーブルを探している方は、まず長方形で選ぶといいでしょう。

「正方形」は、スペースに限りがある部屋にも置けて使いやすい形状なので、2人暮らしや小さなお子様がいるご家族から人気です。
正方形のテーブルは余分な場所を取らないこと、そしてコンパクトで見た目がとてもスッキリ見える点がメリット。
ただし、どうしても席数が決まってしまうためお客様対応などがデメリットとなります。選択肢としては伸長式のテーブルを検討してもよいでしょう。

カジュアルな印象を与えてくれるのは「ラウンド型」のダイニングテーブル。囲むように席に着くので全員の顔が見やすく会話が弾みやすいのが特徴です。詰めて座れば人数が増えても対応しやすいので、ダイニングに人を招くことが好きな方におすすめです。
2.サイズと人数
ダイニングテーブルのサイズは、使う人数から算出して選びましょう。
一般的に、一人が食事をするのに必要なスペースは「幅60cm×奥行き40cm」。およそ新聞紙1ページ分のサイズ(縦54.5cm×横40.6cm)です。これに使う人数をかけることで必要なダイニングテーブルのサイズがわかります。
ただし、中央に大皿や鍋を置く場合はもう少し広さが必要ですし、家族の人数だけを考慮すると来客時にスペースが足りなくなってしまいます。そのため、ある程度余裕をもったサイズを選ぶようにしましょう。
また、ダインニングテーブルを選ぶときは、チェアの稼働範囲や、生活導線も考慮することが大切。

①チェアを引いて立座りするためには、テーブルと壁との距離がおおよそ「60~80cm」
②座って食事をしている人の後ろを通るときには「100~140cm」の幅が必要だとされています。
4辺すべてにこのスペースを確保できなくても、1辺を壁につけてお誕生席を活用する、1辺は立座りできるスペースだけを確保するなどの方法もあるので、レイアウトの工夫次第で使いやすさが変わってきます。
・2人掛けの基本スペース

2人掛けなら伸長式テーブルもおすすめです。使い方に合わせて伸長できるのでお勧めです。
・4人掛けの基本スペース

4人座るなら横幅120cm以上、余裕を見て135cmは欲しいところです。導線を考慮してレイアウトを検討する必要があります。スペースに余裕がない場合は図のように、一方を壁付けして省スペース化することも検討しましょう。
・丸テーブルのスペース

同じ幅(直径)であれば長方形のテーブルより丸テーブルの方が広いスペースが必要になります。4人掛けなら8帖の広さは欲しいところです。
3.素材とデザイン

ダイニングテーブルを選ぶとき、一番悩むのがテーブルの色ではないでしょうか。天板に使用している木材により様々な色合いがあります。やわからい色味のホワイトオーク、こげ茶色のウォールナット、赤みがかかったブラックチェリー、木目が特徴的なパイン材などがダイニングテーブルでよく使用される素材になります。
迷ったときはまず、床の色と合わせてみましょう。同系色でそろえるだけでなく、床が淡色の場合はあえて濃色のウォールナットを選んで引き立たせるという方法もあります。またダイニングに他にも木製の家具がある場合は、色味を揃えると統一感を出すことができます。

ダイニングといえば木製というイメージですが、現在セラミック製のダイニングテーブルが人気を集めています。その特徴は、熱や傷に強く、かつ汚れも簡単に落とせてお手入れが簡単という点です。
木製のテーブルでは考えられませんが、熱々の鍋を直接おいても大丈夫なほど熱に強く、変形や変色といった心配もありません。また、セラミックの硬度は地球上で最も硬い鉱物であるダイヤモンドに迫る硬さを持つので、天板をまな板代わりにしても包丁の傷がつくことがない驚きの強度です。
さらに酸化や腐食に強く、化学的に安定しているので、お醤油や油をこぼした程度では吸収しないので、シミになることもありません。
現在、大注目の素材となっています。
デザイン面では、天板とは別にダイニングテーブルの脚も、お部屋の印象や使い勝手に影響します。ダイニングテーブルの高さはチェアの座面との差が25~30cmほどだと使いやすいといわれます。それ以下だと座っているときの脚が窮屈になり、それ以上だと食事の作業がしづらくなります。チェアの高さとダイニングテーブルの橋の高さを意識して選ぶようにしましょう。
脚の形状も使い方に関係してます。スタンダードな4本脚や、口の字型やTの字型の2本足、変わったものでは4本の脚が交差しているクロス脚などがあります。 チェアの出し入れや、足の空間も考慮する必要があります。
4.天板の塗装について
ダイニングテーブルの天板は、大別すると3つの塗装が施されています。「ウレタン塗装」、「オイル塗装」、「ラッカー塗装」です。
木の特徴、質感、傷や汚れへの耐性などを考慮して、使い分けされています。
・ウレタン塗装

ウレタン塗装とは、ポリウレタン樹脂を木の表面に塗布し膜を形成して、木をコーティングする塗装方法です。特徴としては、ウレタン膜により、熱に強く、食品などの汚れにも強く、メンテナンスが簡単という点です。他の塗装と比べても水気に強く、染み込みにくいので、軽い汚れや飲みこぼし等は乾拭きだけで大丈夫です。
なお、ウレタン膜を形成するため、触り心地は、ツルっとした肌触りで木質感はあまりありません。
・オイル塗装

オイルが木に染み込むことで、木の表面に塗膜(塗った塗料が乾燥して固まって膜状になったもの)を作らず、木そのものの質感を最大限に引き出すことができる塗装です。
木の呼吸を妨げないので、歳月による変化が生じます。定期的にオイル塗料によるメンテナンスを行うことで、木目の表情が味わい深くなり、色味が変化していき、経年変化を楽しむことができます。
反面、水気や熱に弱いのでコップの水滴による輪染みや、熱い食器による熱焼けなどに注意が必要です。また、「縮む」「膨らむ」という木の性質も引継ぐため、反りや割れを引き起こすことがあります。
なお、塗膜がないためお家で簡単にメンテナンスすることができます。オイルメンテナンスキットが予め用意されている商品もありますので、そちらを使って定期的にメンテナンスすることをお勧めします。
・ラッカー塗装
ラッカー塗装とは、揮発性の高いアルコール等にニトロセルロースや樹脂を溶かした塗料を用いる塗装のことです。ラッカー塗装は、塗膜が薄く、何回も塗り重ねることで、耐水性や耐油性をつけますが、ウレタンほど耐性や強度はありません。その分ウレタン塗装よりも、木質感のあるの肌触りが残しつつ、すべすべした手触りの質感に仕上がっています。
ナチュラルな質感を楽しみたいけど、定期的なメンテナンスに不安がある方は、ラッカー塗装をご検討いただければと思います。
なお、熱や水分には強くないので、ラッカー塗装もコップの輪ジミなどには注意が必要です。オイル仕上げと同様に、ランチョンマットやコースター、ポットマットなどをお使いください。またアルコール等を利用した塗装の為、アルコール消毒を使って塗装が溶けてしまうため使用できません。
ダイニングテーブル選びのポイントについて解説してきました。
どのような空間にしていきたいか、家族の声も参考に、まずは優先すべきことを挙げてみることがダイニングテーブルを上手に選ぶコツだと思います。
皆さまの暮らしにぴったりのダイニングテーブルを選ぶための参考になれば幸いです。